無事に決済・登記が完了し、あなたは晴れて物件のオーナーに。
しかしここからが、「不動産賃貸業」の実務フェーズの始まりです。
このフェーズでは、書類の受領・変更届の提出・税金の納付・家賃入金確認といった、“地味だけど大事な仕事”が待っています。
管理フェーズの概要
このフェーズでは以下の8ステップで構成されます。
⚪︎ステップの概要
| No | ステップ名 | 概要 |
|---|---|---|
| 9 | 🏷️ 賃貸管理契約の変更 | 入居者に家賃振込先の変更を通知 |
| 10 | 🏢 所有者変更届の提出 | 管理会社へ名義変更を届け出る |
| 11 | 📑 契約書・領収書の受領 | 書類を受領し保管 |
| 12 | 📄 登記簿謄本の受領 | 登記簿謄本を司法書士から受領 |
| 13 | 💳 管理費・修繕費の初回支払い確認 | 初回の請求内容を確認・対応 |
| 14 | 🧾 不動産取得税の納付 | 決済後3~4ヶ月で税通知が届き納付 |
| 15 | 🔄 家賃入金と管理費の自動引き落とし確認 | 賃料入金・引落状況を確認 |
| 16 | 🏠 固定資産税の納付 | 翌年に税通知が届き納付 |
⚪︎スケジュール感
このフェーズには、決済から約3ヶ月以内に発生するタスク(No.9〜14)、毎月発生する継続タスク(No.15)、および翌年4月から毎年発生する固定資産税の納付(No.16)が含まれます。
| No | ステップ名 | 〜1ヶ月 | 〜2ヶ月 | 〜3ヶ月 | 以降毎月 | 翌年4月 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 9 | 🏷️ 賃貸管理契約の変更 | ▲ | ||||
| 10 | 🏢 所有者変更届の提出 | ▲ | ||||
| 11 | 📑 契約書・領収書の受領 | ▲ | ||||
| 12 | 📄 登記簿謄本の受領 | ▲ | ||||
| 13 | 💳 管理費・修繕費の初回支払い確認 | ▲ | ||||
| 14 | 🧾 不動産取得税の納付 | ▲ | ||||
| 15 | 🔄 家賃入金と管理費の自動引き落とし確認 | ▲ | ||||
| 16 | 🏠固定資産税の納付 | ▲ |
各ステップの説明
🏷️ ステップ9:賃貸管理契約の変更
オーナーチェンジ物件では、入居者に対して大家変更の通知を行い、家賃の振込先も変更してもらう必要があります。
私の場合、賃貸管理を業者に委託しており、重要事項説明の時点で、入居者に事前通知を出すよう仲介会社に依頼しています。これにより、旧オーナーへ誤って振り込まれるのを防げます。
🔑 鍵の引き渡しについて
前オーナー(売主)が合鍵を所有している場合は、新しいオーナー(買主)に引き渡されます。
以前は、賃貸管理会社が合鍵を保管しておくのが一般的でしたが、近年ではセキュリティリスクやトラブル防止の観点から、管理会社が鍵の保管を避ける傾向にあり、合鍵を預かること自体を断るケースも珍しくありません。
このような場合、合鍵は新しいオーナー(買主)に引き渡されることになります。とはいえ、私自身はその鍵を使う機会はまずないため、受け取った場合でも「廃棄してください」と賃貸管理会社に依頼しています。
なぜ困らないのかというと、オーナーチェンジ物件では、入居者が居住中に大家が勝手に室内へ立ち入ることは原則としてあり得ず、合鍵を保持していても使う場面が存在しないからです。
また、退去時には入居者から鍵が返却されるため、再募集の際には改めて必要な鍵が揃います。
🏢 ステップ10:所有者変更届の提出
マンションの管理組合(または管理会社)に対して、所有者が変更されたことを届け出る必要があります。 この際、同時に以下の手続きも進めます:
- 管理費・修繕積立金の自動引き落とし申請
- 所有者名義の変更書類の提出
多くの場合は、仲介会社が段取りを組んでくれ、書類一式が自宅に郵送されてきます。 必要事項を記入・押印して返送すればOKです。
📑 ステップ11:契約書・領収書の受領
決済後、仲介会社から売買契約書の正本と領収書が郵送されてきます。 これらは確定申告や将来の売却時に必要となる大切な書類なので、ファイリングして厳重に保管しておきましょう。
📄 ステップ12:登記簿謄本の受領
司法書士から、登記完了後の「登記簿謄本(全部事項証明書)」が郵送されてきます。 この書類も、減価償却計算や将来の譲渡時に必須となるため、契約書類と一緒に保管しておきましょう。
💳 ステップ13:管理費・修繕積立金の初回支払い確認
所有者変更が完了すると、管理会社から新オーナー宛てに管理費・修繕積立金の請求書が届きます。
自動引き落としの登録が反映されるまでは、振込用紙に記載された口座へ期限内に振込を行います。 振込を忘れた場合、翌月に合算請求されることもありますが、長期間放置すると「滞納扱い」となり、延滞金が発生する可能性もあるため注意が必要です。
🧾 ステップ14:不動産取得税の納付
決済日から約3〜4ヶ月後、管轄の都道府県税事務所から不動産取得税の納税通知書が届きます。 通知書に記載された期日までに、金融機関・コンビニ・Yahoo!公金支払い等で納付します。
※電子決済でも支払いは可能ですが、クレジットカード払いに対応していない場合が多く、ポイント還元は期待できません。
🔄 ステップ15:家賃入金と管理費・修繕積立金の自動引き落とし確認
物件引渡し後は、毎月の家賃が正しく入金されているかを確認しましょう。
私の場合は、賃貸管理を委託している業者が家賃を回収し、まとめて指定口座に振り込んでくれます。
もし入居者からの入金が遅れた場合は、事前に管理会社から報告があり、対応方針を一緒に検討する体制が整っています。
また、マンションの管理費・修繕積立金については、自動引き落としが正常に行われているか、口座残高と合わせて月ごとにチェックしておきましょう。引落し不能になると、別途振込や延滞処理が必要になることがあります。
🏠 ステップ16:固定資産税の納付
所有権移転の翌年以降は、毎年4月頃に市区町村から固定資産税の納税通知書が届きます。
不動産取得税と同様に、納付書に従って期限内に支払います。
納付方法は通常、年1回の一括納付または年4回の分割納付から選択できます(地域により異なります)。
一括でも分割でも支払総額は同じですが、分割の方が支払いを先送りできるため、キャッシュフローを重視する場合は分割の方が支払いを先送りできるため、手元資金を優先したい人には向いています。
ただしその分、納期管理の手間は増えるため、ご自身の管理スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。
Yahoo!公金支払などを使えば、オンラインでの納付も可能です。
ただしクレジットカード決済に対応していない自治体もあり、ポイント還元などの特典も基本的にありません。
支払いを忘れると延滞金が発生するため、通知が届いたら早めの対応をおすすめします。
🧾 総括:手順を知ることは、投資の安心につながる
ここまで、不動産購入の申し込みから成約、そして管理フェーズまでを一つひとつのステップに分けて丁寧に解説してきました。
実際にこの流れを経験してみて感じるのは、「あらかじめ全体の工程を知っておくこと」が、精神的なゆとりを生み、トラブルの予防にもつながるということです。購入後もタスクは続きますが、最初の一連の流れをマスターすれば、2件目以降はぐっと楽になります。
なお、本章では触れませんでしたが──
🔔 重大な欠落が、ひとつだけあります。保険の加入です。
実は私は、不動産投資を始めて3年近くが経過するにもかかわらず、まだ1室も火災保険・施設賠償責任保険に加入していません。
これは明らかにリスク管理上の課題であり、現在は速やかに加入すべく保険内容の検討を進めているところです。
保険の種類やその必要性については、別章にて改めて詳しく解説する予定です。
✅ まとめ:このフェーズのチェックポイント
- 📥 書類の受領・提出はすべて証拠として残す
- 💳 税金・管理費の支払い漏れに注意
- 📆 月次・年次で発生するタスクを把握する
不動産オーナーとしての「日常業務」は、ここからが本番。でも一度流れをつかめば、次からはスムーズにこなせます。
なお、本章では触れませんでしたが──
🔔 重大な欠落が、ひとつだけあります。保険の加入です。
実は私は、不動産投資を始めて3年近くが経過するにもかかわらず、まだ1室も火災保険・施設賠償責任保険に加入していません。
これは明らかにリスク管理上の課題であり、現在は速やかに加入すべく保険内容の検討を進めているところです。
保険の種類やその必要性については、別章にて詳しく解説する予定です。
🤝 “誰と組むか”が投資の命運を分ける
ここまで、不動産購入の申し込みから契約、そして管理フェーズまでを16のステップに分けて丁寧に解説してきました。
ここまで、決済後に必要な16のステップをご紹介してきました。
しかし、どんなに段取りを把握していても、それを実行に移すためには──
— 信頼できる担当者と出会えたから、ここまで来られた —
この一言に尽きます。
私が札幌という土地で、現地に一度も行かずに不動産投資を拡大できたのは、「価格交渉」から「契約」「引き渡し後の管理」に至るまで、すべてを任せられる不動産会社と出会えたからでした。
単なる売買の仲介にとどまらず、オンライン対応・スピーディーな連絡・地域特性に基づくアドバイス・交渉術・管理引き継ぎ──あらゆる場面でサポートしてくれた担当者の存在が、投資の土台を支えてくれたのです。
不動産投資の世界では「良い物件を見つけること」が注目されがちですが、実際には「良い担当者と組めるかどうか」が成否を大きく左右します。
仕組みと信頼が揃っていれば、たとえ遠隔地でも、忙しくても、投資は前に進められる──それが、私のこの章で伝えたかった核心です。
次回の章では、この信頼関係がどのように築かれていったのか、そして具体的にどのようなやり取りやサポートがあったのかを、実際のエピソードを交えて深掘りしていきます。
「物件ではなく、人で選ぶ」──その価値を実感できる内容になればと思います。