退職翌年に行う「確定申告」と、任意継続から国保へ切り替える重要なタイミング
FIREして退職した翌年には、退職金や副収入、各種控除を申告する確定申告が必要です。
特に、年の途中で退職した場合は年末調整がされておらず、申告しないと損をするケースが大半。
また、国民健康保険の切り替えや、年金の免除申請準備もこのタイミングから始まります。
❓ まず確認:「確定申告が必要な人」とは?
以下のいずれかに当てはまる場合、確定申告が必須です:
| 該当項目 | 理由 |
|---|---|
| 年末前に退職し、年末調整されていない | 給与所得の税額が確定しておらず、還付・追納の可能性あり |
| 退職金を受け取り、「退職所得の受給に関する申告書」を出していない | 一律20.42%が源泉され、申告で還付される可能性あり |
| 不動産収入・副業収入がある | 所得申告が義務。収入が少なくても経費や控除で還付の可能性あり |
| 医療費控除やふるさと納税をした | 控除を反映するには申告が必要(ワンストップ特例は除く) |
| 国民年金・保険料・寄付金などの控除を受けたい | 所得控除により課税所得ゼロを狙える |
✅ 退職翌年にやることリスト(確定申告・国保・年金編)
| No | 内容 | 対象 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 1 | 申告書を入手(紙 or e-Tax) | 全員 | 税務署 or 国税庁サイトから取得 |
| 2 | 所得を集計(退職金・不動産・副業など) | 所得がある人 | 各種明細を整理 |
| 3 | 必要経費の集計 | 不動産収入がある人 | 減価償却も忘れずに |
| 4 | 控除証明書の準備 | 全員 | 年金・保険・ふるさと納税など |
| 5 | 所得控除後の試算 | 全員 | 課税所得ゼロ or 43万円以下を目安に |
| 6 | 国保切り替え手続き | 所得が確定したあと | 役所で申請(確定申告控えを持参) |
| 7 | 年金免除申請(7月以降) | 住民税が非課税の人 | 住民税決定通知書が届いてから申請可能 |
📝 確定申告の基本手順(会計ソフトfreeeを使わない人向け)
① 申告書を入手
- 【紙】税務署で「申告書B」「青色申告決算書」などを入手
- 【PC】国税庁「確定申告書等作成コーナー」
→ https://www.keisan.nta.go.jp/
② 所得を集計
| 所得の種類 | 主な資料 | 申告書類 |
|---|---|---|
| 給与所得 | 源泉徴収票 | 申告書B(第一表) |
| 退職所得 | 退職所得用源泉徴収票 | 申告書B(第二表) |
| 不動産所得 | 家賃収入・経費・減価償却 | 青色申告決算書 or 白色収支内訳書 |
③ 必要経費を整理(不動産収入がある人)
- 管理費、修繕積立金、火災保険、固定資産税、通信費、交通費など
- 減価償却は「耐用年数×取得価格」で算出(定額法・定率法に注意)
🧾 所得控除で「非課税」を狙う
| 控除の種類 | 書類 | ポイント |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 不要 | 通常は48万円。2025・2026年は定額減税で実質控除額アップ(詳細下記) |
| 青色申告特別控除 | 帳簿提出 | 最大65万円(電子申告)または55万円(紙) |
| 国民年金保険料 | 控除証明書 | 全額控除可 |
| 医療費控除 | 医療費集計フォーム | 10万円超 or 所得の5%超(どちらか少ない方) |
| 生命保険・地震保険 | 控除証明書 | 上限あり(旧・新制度あり) |
| ふるさと納税(寄附金控除) | 寄付金受領証明書 | 控除限度を超えると自己負担が増える |
📌 基礎控除+定額減税(2025・2026年)
2025年・2026年の2年間は、「定額減税」により以下の効果があります:
| 税目 | 通常控除 | 定額減税 | 合計の効果 |
|---|---|---|---|
| 所得税 | 48万円 | 3万円(1人) | 実質51万円控除相当 |
| 住民税 | 43万円 | 最大97,000円 | 実質約52万円控除相当 |
💡 減税は自動適用(申告書に記入不要)。所得が低く税額が出ない人は、効果が一部しか反映されないこともあります。
👉 ただし、住民税や国保料にも連動gるため、結果として広く軽減効果が波及する可能性があります。
🎁 ふるさと納税の申告と注意点
- 「寄附金受領証明書」を寄附金控除欄に記入
- ワンストップ特例を選んでいても、退職金や不動産など他の申告がある場合は、確定申告が優先されるため一括申告が必要
⚠️ 所得が低すぎると、控除しきれず自己負担が2,000円を超えて損になることもあります。
👉 前章(フェーズ3)では、自分の「限度額」の見積り方法を紹介しています。
🏥 健康保険と年金免除の連動
国民健康保険の切り替え(3月)
任意継続の2年満了や保険料が高額な場合は、確定申告後に国保への切り替えを行います。
多くの人の場合、FIREした年の所得は前年より少なくなるので、国保の保険料を計算して、加入中の健保の保険料と比較しましょう。
また、所得が43万円以下で住民税が非課税となると、国保料の軽減・免除の対象になる可能性があります。
👉 手続き時には、任意継続している健保に申請して「健保資格喪失証明書」を取得する必要があります。
国民年金の免除申請(7月以降)
年金の免除申請は、住民税の課税状況が確定した7月以降に受付が始まります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2〜3月 | 確定申告(所得確定) |
| 6月中旬 | 住民税決定通知書が届く |
| 7月以降 | 年金免除申請が可能になる |
💡 所得が基準以下の場合、「全額免除」が認められ、保険料の半額が国から補填されます。免除期間も将来の年金受給資格としてカウントされます。
🔁 社会保険料を軽くするもう一つの道──「失業」という条件を活かす方法も。
年金や健康保険の負担を軽くしたいなら、「所得が少ない」だけでなく、「失業中である」ことが強力な武器になります。
実は、FIRE後でも条件を満たせば失業手当を受け取ることができ、しかもそれが各種免除制度に直結するケースもあります。
次の記事では、失業手当の支給額や受け取り方に加えて、
その受給中に活用できる社会保険料の免除・軽減制度について、実体験をもとに解説します。