先日、久しぶりに髪を切りに出かけました。
向かったのは、かつてよく通っていた美容院。30年くらい前からの付き合いですが、引っ越しをしてからは足が遠のいていて、気づけば5年ぶりの訪問になっていました。
普段は近所のファストカットで、短髪にしてもらうだけの“整えるだけカット”。
でも今回、ちょっと髪型を変えてみたくなって、しばらく髪を伸ばしていたんです。
そしたら、短髪のときは目立たなかったけれど──僕の生え際、かなり毛量が少なくて、伸ばしてみたら地肌がうっすら見えてしまって。鏡を見て「うわ…これはちょっとキツいかも」と。
そこで思い出したのが、長年お世話になっていた、あの美容室。
僕の髪質もクセも、何も言わずとも理解してくれる彼なら、なんとかしてくれるかもしれない。そんな思いで、4年ぶりにその扉を開けたんです。
結果は──大正解。
頭頂部の髪を前方に流し、薄毛部分をさりげなくカバー。前髪は短く揃えることで、生え際の毛量の少なさをうまくごまかす。まさに職人技。

ちなみにこのスタイル、彼いわく「永ちゃん(矢沢永吉)カット」なんだそう。
なんだか妙に納得してしまいました。
お互いに歳をとりましたね、なんて笑いながらも、空白の時間を感じさせない距離感。懐かしい空気とともに、自然と会話が始まります。
🎤 地下アイドルのヘアメークをしていたらしい
「そういえばさ、コロナ前は地下アイドルのヘアメークもやってたんだよ」と彼。
メインの美容室の仕事の合間に、ライブ前のセットや撮影用のメイクなんかを請け負っていたそうです。
「売れる子もいれば、売れない子もいてね。5年経って、たとえば“あのちゃん”なんかも、当時やってた子のひとりだったんだよ」
えっ、あのちゃん? あの“あのちゃん”?
ちょっと驚きました。こういう話を聞くと、自分が知らないところでいろんな人が夢を追い、誰かがその舞台裏を支えてるんだなと実感します。
🔁 それ、逆じゃないよね?
さて、あのちゃんの話題の前からずっと気になっていたことがありました。
彼の口癖──「逆に言うと」。
最初は気にならなかったんです。
でも、地下アイドルの話が進むにつれ、エピソードの合間に何度も「逆に言うと」が差し込まれるようになってきて……だんだん耳につくようになってきた。
たとえば、こんなふうに──
「この子はすごい控えめで目立たなかったんだよね。逆に言うと、裏ではけっこう“すごい”んだよ……みたいな態度でさ」
この「すごい」っていうのは、良い意味じゃなくて、“スタッフにはちょっと上から目線”みたいなニュアンスなんです。
ん? それ……逆じゃないよね?
たとえば「この子は控えめだった。逆に、裏ではかなり横柄だった」なら、まぁ納得できます。
でも「逆に言うと」って言い回しになると、それは同じことを別の角度から説明するときの表現じゃなかったっけ?
うーん……。
言ってることが“逆”ではあるけど、“同じことの言い換え”にはなってないよな。
でも、「逆に言うと」って、単に反対の面を示すときにも使うし、それはそれで間違いとも言えない……。
なんだか、言い回しとして完全に不正解とは言えないからこそ、モヤモヤする。
気づいたら、彼の話の中身が頭に入ってこなくなっていました。
たとえば、あのちゃんがどれだけ頑張っていたか、どうやって人気をつかんでいったか──彼なりに熱心に語ってくれていたのに、
僕の意識はすっかり「また言ったな……」→「でもそれ逆っていうか、ただのギャップでは……」→「でも、話の腰を折るのもなぁ……」のループ状態。
内容はたぶん面白かったはずなのに、僕の集中は「言葉の使い方」ばかりに向いてしまっていた。
これ、ほんとにもったいなかったな。
🤔 でも、クセって、人間らしさかもしれない
ちょっと気になったこの口癖も、話を聞いているとどこか心地よく感じてしまうのが不思議です。
むしろ彼のリズムなんでしょうね。話し方にも、その人らしさが現れる。
「逆に言うと」という言葉が好きなのか、それとも“別の視点”を示す言葉として、彼なりに使い慣れているのか。たぶん、無意識なんだろうなと思います。
言葉のクセって、直そうと思えば直せるけど、なくなるとちょっと寂しい気もします。
だから僕は、今日も心の中で小さくツッコミを入れながら、彼の「逆に言うと」に耳を傾けていたのでした。
あなたにとって、そんな「その人らしさ」を感じる言葉のクセ、ありますか?
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