NotesからSharePoint移行で見えた現場の本音と折り合い方
🔻 「Fit to Standard」が現場に刺さらない現実
会社員時代に、Lotus NotesからSharePointに移行するプロジェクトを10企業ほど担当しました。棚卸ししたDB数は約1万個くらいです。
プロトタイプレビュー時に、毎回と言っていいほど現場からは「こんなに不便になるのかぁ…」という声が上がります。
その中でも、よく揉めるのが「ビュー(一覧画面)」です。
Notesでは、業務ごとに細かく設計されたビューが当たり前のように使われていました。
一方、SharePointは「列フィルタ」や「ユーザーによるカスタム」を前提とした設計思想。
このギャップが、現場との溝を生みました。
🧭 Lotus Notes文化 vs SharePoint文化のギャップ
| 項目 | Lotus Notes | SharePoint |
|---|---|---|
| ビューの役割 | 業務に合わせて複数の固定ビューを作成 | ユーザーがフィルタや並べ替えで調整 |
| グループ化 | 階層制限なし(3階層以上も可) | 最大2階層まで |
| 表示制御 | ビューごとに柔軟な表示制御が可能 | 基本はリスト全体の構成 |
| ユーザー意識 | 決まった画面を使う | 必要に応じて自分で整える |
たとえば、Notesでは「営業部門向けのAビュー」「管理部門用のBビュー」「案件進捗別のCビュー」などを用意し、それぞれが業務に特化した一覧として使われていました。
これがSharePointになると、「列でフィルタしてください」「ビューは必要最低限で」になるため、“不親切になった”と受け止められがちです。
💥 実際にあったクレームと対応例
「このビューがないと、うちは業務が止まるんです!」
→ 業務に支障が出る条件を整理し、最低限のカスタムビューを個別に作成。ただし「ビューの乱立はしない」という方針を明示し、今後は「なるべくユーザー側で対応してもらう」ことを説明しました。
「グループ化が3階層必要なのに、2階層までしかできないって何ですか?!」
→ 機能制約の理由を明確に伝えたうえで、フィルタ条件ごとにビューを分けることを提案。
初めは抵抗があったものの、「切り替えに慣れてしまえばどうってことない」と後日コメントをもらいました。
🧩 折り合いをつけるために工夫したこと
- “業務が止まるかどうか”をカスタマイズの判断基準とした
- ユーザー部門とのやり取りでは、「なぜ標準なのか」を説明する機会を必ず設けた
- 「ビューは最小限+使い方を伝えるトレーニング」で現場の不安をフォロー
- 必要であれば、PowerAppsなどでの将来的な拡張の余地も示した(現時点で無理強いしない)
💡 Fit to Standardは“使い勝手”を否定するものではない
Fit to Standardという言葉が一人歩きすると、「現場を無視してトップダウンで決めた」「融通がきかない」という誤解を招きます。
でも実際には、「標準の枠の中でいかに現場の納得を得るか」が一番大事なんですよね。
現場が求めているのは、単に「これまでと同じ画面」ではなく、「安心して仕事ができる環境」です。
だからこそ、
👉 標準の意義をわかりやすく伝え、
👉 最低限の柔軟性を残し、
👉 トレーニングや運用で支える
という姿勢が、最終的には“Fit to Standardでも現場が満足”する落としどころになるのだと実感しています。
🔚 あなたのプロジェクトでも…
もしあなたが同じように他の業務アプリの“標準化”プロジェクトに携わっているなら、「標準だから」「仕方ない」ではなく、「どう納得してもらうか」という観点での設計・対話が成功の鍵になるかもしれません。
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